Webinar in Japanese

Friday 26 March 2021
12:00pm – 1:15pm

日本の桜を救ったイギリス人

This event will start at 9pm JST

Organised by the Daiwa Anglo-Japanese Foundation

英国人園芸家のコリングウッド・イングラム(1880-1981)は20世紀初めに日本の桜の虜になり、明治・大正・昭和期に3度訪日して桜の穂木を持ち帰り、ケント州の自庭に植えて素晴らしい「桜園」を創りました。最盛期には130種類近くが植樹され、イングラムはそれらを英国や欧米社会に紹介し、広めました。

イングラムにとって一番大切だったのは桜の「多様性」です。ところが日本では当時、伝統の桜が忘れられて多数の品種が絶滅の危機に瀕していました。明治以来の近代化政策によって、人々は多品種を生んだ桜文化を忘れてしまったのです。日本で絶滅した「太白」桜は、イングラムが1932年、日本に里帰りさせ、イングラムは多様な桜を大事にするよう、日本人に警告を発します。しかし、その後日本はクローンの「染井吉野」に席巻され、まっしぐらに軍国主義の道を歩みます。

トークでは、イングラムの業績と日英で桜がたどった足跡を語ります。

  • 日時:3月26日 日本時間の夜9時から (英国時間の12時から)
  • 会場:オンライン(Zoom)
  • 対象:大学生/一般/教職員など
  • 言語:日本語
  • 定員:50名(先着順)

 

About the contributors

阿部菜穂子(あべなおこ)

元毎日新聞政治部記者。2001年から英国在住。ジャーナリスト・ノンフィクションライターとして日本語と英語の両方で執筆活動を続けている。2016年、20世紀に日本の桜を英国に紹介した英国人園芸家、コリングウッド・イングラムの生涯を追う「チェリー・イングラム――日本の桜を救った英国人」(岩波書店)で第64回日本エッセイスト・クラブ賞受賞。その後、「チェリー・イングラム」日本語版を全面的に英語で書き直し、2019年春、英国、米国、オーストラリア等英語圏で’Cherry’ Ingram—The Englishman Who Saved Japan’s Blossoms をペンギン社から出版。同書は英国の権威あるBBCラジオ4の‘Book of the week’ に選ばれて1週間、ラジオで朗読されたほか、英米の主要各紙誌で高く評価された。また、サンデー・タイムズ紙などで2019年の‘Best books of the year’に選ばれた。同書はこれまでにドイツ語、イタリア語、オランダ語、ポーランド語、スペイン語に翻訳され、2022年には中国語版が出る予定。

※阿部菜穂子のHP: www.naokoabe.com

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