
サンドラ・ウィルソンが コンピュータ廃棄物の回路基板の金から作った銀色の容器 写真:Diarmid Weir
News11 June 2021
大和日英基金は電子廃棄物から回収した貴金属の装飾技術における革新的な利用から、水素燃料電池の科学研究に至るまで、多くのプロジェクトに助成しています。
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大和日英基金は英国と日本の交流を支援する最近の奨励助成と重点助成について、次のようにお知らせします。
カーディフ大学のキャサリン・バトラー博士は、英国の児童文学の日本における人気と日本文学やポップカルチャーへの影響を研究するために日本を訪れ、研究論文を発表します。
ダンディー大学のサンドラ・ウィルソン教授は、電子廃棄物から回収された貴金属と金を少量使用する伝統的な日本の金属加工を組み合わせた研究と実験を行い、2023年にスコットランド・ゴールドスミス・トラストで展覧会を開催します。
日本を拠点とする演劇団体ゴーチ・ブラザーズは、英国ツーリング・シアターの芸術監督リチャード・トワイマン氏が主催する日本の劇作家のための1週間のワークショップを東京で開催するために助成金を使います。
作家のジェームズ・クラーク氏と監督のロビー・マッケイン氏による2011年の東北大震災による津波の影響を受けたコミュニティの回復力を示すドキュメンタリーと関連書籍’Tohoku Recovery in Action’ の制作に助成が使われます。
また大英博物館には2021年9月30日から2022年1月30日まで開催される展覧会に伴う出版物への助成をします。北斎:万物の偉大な画本は、有名な浮世絵師である葛飾北斎の最近再発見された筆で描かれた珍しい絵103点を展示し、19世紀の日本の北斎の作品とその取り組み方についての新しい視点を提供します。
また、基金はロイヤル・アカデミー ・オブ・アーツでの2022年3月19日から2022年6月19日までの河鍋暁斎の展示について助成します。こちらは英国における最近の研究成果に照らして川鍋京西の芸術について再評価し、作品への評価を高めることを目的とした展示です。
より大きな機関同士の協同プロジェクトとして シェフィールド大学、九州大学、東京大学、北海道大学の研究グループが、水素燃料電池に関する大規模な共同研究を実施します。実験研究と計算研究を組み合わせることで、高価な燃料電池用触媒や電解質のコストの大幅削減を目指します。本共同研究により、燃料電池技術の社会実装が加速され、移動体、電力、空調などの分野での脱炭素化を促進させます。
セインズベリー日本藝術研究所は立命館大学アート・リサーチセンター、奈良文化財研究所、東京国立博物館、大英博物館との共同研究として、日英共同の国際的教育プログラムの充実を目指し、セインズベリセンター(英国ノリッチ)が所蔵する神像について、デジタル資料や科学技術を用いた学生参加型の調査研究をすすめます。
ロンドン芸術大学(UAL)キャンバーウェル・カレッジの学生らが,2021年秋から京都工芸繊維大学との間でスタートするダブルディグリープログラムにおいて国際連携のプロジェクトに参加し,その学びを深めるために約4ヶ月間京都を訪問します。この交流は本プログラムにとって欠くことができない部分です。
また2021年3月分の全受領者のリストはhttp://armanios.co.uk/dev/daiwa2/ja/grants-awards-and-prizes/recently-funded でご覧になれます。
【参考】
大和日英基金は、1988年に大和証券株式会社からの寄付により英国の非営利団体(チャリティ)として設立されました。英国と日本の相互理解の促進を目的としており、次の活動を柱にしています。
· 日英関係への貢献に意欲的な個人・様々な団体のプロジェクトに助成する。
· 日英両国の学生・学術研究者に人物交流・共同研究の機会を与え、研究促進を支援。
· 大和スコラーシップの授与。英国の大学卒業者を対象とし日本語学習と職場研修の機会を与える。
· 年間を通じて英国における日本理解を促進するイベントをロンドンの大和ジャパンハウスにて開催。
【照会先】
〒102-0076 東京都千代田区五番町12-1番町会館103 大和日英基金 東京事務局
副事務局長 河野順子 TEL: 03 3222 1205 FAX: 03 3222 1208 Email: tokyo.office@dajf.org