大和日本研究スコラー2021

第7期生として、4名の大和日本研究スコラーが選出されました。

新たな大和スコラーの発表にあたり、大和日英基金事務局長、ジェイスン・ジェイムズは次のように述べています。

「3月5日にZoomによる面接を行い、4名の新しい大和日本研究スコラー(DSJS)を選びました。これは、日本研究を行う大学院生をサポートするプログラムです。DSJSの重要な基準の一つは高水準の日本語力であり、面接の一部は日本語で行われるため、大変な経験となったでしょう!

選ばれた志願者の1名は芸術学の修士課程に進みますが、その他の志願者は歴史に焦点を当てており、中世の日本における宗教団体の貧民救済活動、明治時代の日本とアジアの国々との関係、英国の貴族院が両大戦間期の日本の貴族院に与えた影響について研究します。私たちは4名のスコラーをサポートし、彼らの研究の最終的な成果について聞くことを楽しみにしています。」

写真つきのプロフィールはこのリンクからご覧いただけます

3名のスコラーは日本の大学院で学びます。ルーシー・フレミング・ブラウン東京藝術大学の修士課程、ドミニク・ヴェーヴェリス東京都立大学の博士課程、ジョージ・ウォラストンは東京大学の修士課程で研究を開始しました。また、ジョエル・リットラーオックスフォード大学の博士課程での研究に着手しました。

 

スコラーについて

ルーシー・フレミング・ブラウン

ルーシーは2018年にオックスフォード大学で日本研究の学士号を取得。学士課程の一環として、神戸大学で1年間美術史を専攻した。オックスフォード大学在学中、日本美術の特別科目を履修し、論文では日本の戦後写真について探究した。2018年からロンドンのマイケル・ホッペンギャラリーでギャラリーアシスタント/日本美術専門家として勤務。アーティストと財団との調整役、収集、調査を担当し、同ギャラリーの日本の写真に関する専門性を高めるサポートをした。彼女は2021年4月に東京藝術大学修士課程に進学し、長谷川祐子教授の指導のもと芸術学とキュレーションを学ぶ。写真の役割を中心に、日本の視覚文化の歴史における沖縄の表象に焦点を当て研究を行う予定である。

ジョエル・リットラー

ジョエルは2016年にシェフィールド大学で日本研究の学士号を取得。学士課程の一環として東京大学で1年間学んだ。2017年にオックスフォード大学で現代日本研究の修士号を取得。タイのタマサート大学では、3年間講師として勤務した。現在の博士課程のプロジェクトは、タイ滞在中に進めていたもので、2020年10月にはショウ・コニシ教授の指導のもとオックスフォード大学での研究を開始した。1868年に日本がより広い世界へ開かれたことは、主として西洋に対する開国と見なされているが、ジョエルの研究プロジェクト「アジア革命空間のマッピング:宮崎滔天のアジア観(1877-1922)」では、まだ十分研究されていない日本人とアジアの人々との非国家的な国境を越えた関係に着目している。彼は19世紀後半の日本とタイの知的なつながりを特に注視する。この2国だけがアジアで植民地化されなかったからである。

ドミニク・ヴェーヴェリス

ドミニクは2012年秋に初めて日本を訪れた。2013年、国際基督教大学に入学するため日本へ移住し、歴史学と日本研究を専攻して、2017年に卒業した。2020年には上智大学で修士課程(比較日本研究)を修了した。修士論文のテーマは「英国の貴族院改革と両大戦間期日本における貴族院改革論」である。2020年10月から東京都立大学法学政治学研究科に進学し、博士後期課程(政治学)で佐藤信准教授の指導のもと両大戦間期日本における貴族院改革論に関する研究を続けている。この研究は日本と英国の貴族院改革の関連性に焦点を当てており、主に歴史的なものであるが、日本で憲法改正の議論が続き、英国では貴族院の将来について論争が続くなか、その関連性についても強調している。

ジョージ・ウォラストン

ジョージは10代の時に、戦国時代を舞台にした戦略型コンピュータゲームに触発され日本の歴史に興味を持った。2014年の終わり頃、いずれ日本の歴史を研究したいと考えオンラインで日本語を学び始めた。2016年春に初めて日本を訪れ、2020年にオックスフォード大学で日本研究の学士号を取得。学士課程の一環として神戸大学で1年間学んだ。2021年4月、東京大学の修士課程に進学し、三枝暁子准教授の指導のもと日本史を学ぶ。彼の研究は、11世紀から14世紀の日本において、宗教団体と周縁化された人々(病人、貧困者、身体障害者)やその他非主流派のグループとの間に存在した関係を調べるものである。

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