2016年大和エイドリアン賞の受賞者

2016年大和エイドリアン賞

日英の科学共同研究チームを対象とした大和エイドリアン賞2016年の受賞4チームを以下のとおり発表します。

王立協会のフェローズによるパネルに委託し、大和日英基金は4つの日英科学共同研究チームに、夫々£10,000ずつの大和エイドリアン賞の授与を決定しました。大和エイドリアン賞は大和日英基金によって3年に一度日英の共同研究において重要な科学的な協力に対して贈られます。この賞は1992年に基金の創立当時の理事であった故エイドリアン卿を記念して設立され、その後現在のように改称されました。この賞が発表されて以来、42の共同研究チームへ賞が授与されその累計総額は£485,000となっています。日本から39の機関、英国からは36の異なる機関を代表する日英の共同研究チームに授与されました。これは両国の科学者による科学的な業績の幅と多様性を示していると言えましょう。審査は王立協会のフック委員会によって行われ、議長はリチャード・モリス教授でした。委員会の評価コメントとして、『本当に国際的な協同で長期にわたって充分に探究された生産的な研究です』、『この研究の潜在的影響は非常に刺激的で根本的な科学に貢献するものです』等がありました。

以前の大和エイドリアン賞チームの研究では、抗生物質研究、プラズマ物理学、航空宇宙の探査と設備病原体インタラクション等、本年と同様に多様なエリアで草分け的な研究であったと言えましょう。

受賞者 2016 1万ポンド大和エドリアン賞

セラミック酸化物表面;固体酸化物燃料電池や水蒸気電解などの高温電気化学デバイスのためのペロブスカイト空気極触媒の最表面構造を原子レベルで明確にし、ガスー固体界面での酸素イオンの活性化過程を解明する。

機関 Imperial College London, 九州大学

英国チームーリーダー Professor John Kilner

日本チームリーダー 教授 石原 達己

極限環境を用いた新物質探索:高圧力下での物質合成、および低温や高圧環境での電気・磁気特性評価により、新奇な特性を示す幾つもの遷移金属酸化物を発見し、それら新物質の結晶・磁気構造解析から特異な機能特性の発現機構を解明した。

機関 University of Edinburgh, 京都大学

英国チームーリーダー Professor J. Paul Attfield

日本チームリーダー 教授 島川 祐一

あらゆる規模で太陽大気中に発生する磁気エネルギー解放現象の理解に向けて:太陽面の至るところで見られる小規模のジェットやフレア爆発から地球に重大な影響を及ぼす発生予測の難しい大規模の噴出現象まで

機関 University College London, University of Cambridge, 国立天文台, 名古屋大学, JAXA宇宙科学研究所

英国チームーリーダー Professor Louise Harra

日本チームリーダー 准教授 原 弘久

人工合成した反復DNAをヒト培養細胞へ導入し、細胞分裂を通して独立に安定分配維持される人工染色体の作製に成功している。このヒト人工染色体を用いて染色体分配に関わるエピジェネティックな制御機構を解明した。

機関 University of Edinburgh, かずさDNA研究所

英国チームーリーダー Professor William C. Earnshaw

日本チームリーダー 舛本 寛

大和日英基金が長年に渡る私たちの共同研究を表彰して下さったことを心から感謝致します。大和エイドリアン賞受賞は、日英両サイドの若い研究者たちをさらに励まし勢いづかせていることを強調したいと思います。日英のこの共同研究が、そう遠くない将来に生命科学にさらなる発展をもたらすものと固く信じております。

舛本 寛、かずさDNA研究所

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