
科学共同研究支援の大和エイドリアン賞2013
基金は3年に一度、日英の共同研究チームの科学的研究を対象として、この賞を贈呈しています。
申請締め切りは2013年6月7日でした、本年の授賞式はロイヤルソサエティにおいて11月27日に行われます。
大和エイドリアン賞は、純粋科学の分野、又は応用科学の分野で、日本と英国の研究チーム間における共同研究を賞するものです。対象分野は物理、化学、数学、コンピューターサイエンス、工学、農学、生物学、薬学研究、そして 考古学、地質学と実験心理学の科学的な面です。
大和エイドリアン賞は、科学的なクオリティと過去の業績に基づいて審査されますが、日英関係への貢献度も、長期的観点から考慮されます。
1992年に設定された後、著名な科学者でもあり基金の創立理事で、この賞を積極的に支援していたエイドリアン卿を記念して名称を変更しました。
これまで445,000ポンドを 76 チームに授与しました。英国の36機関、日本の37機関の計75機関を代表するチームの皆様に授与しましたが、これは両国の科学者による成果の種類の多さや幅広さを示していると思います。
受賞者 2013 1万ポンド大和エドリアン賞
Chemonostics:加齢に関連する病気の迅速診断に資する新規センサーの開発
機関 バース大学、バーミンガム大学、 九州大学,首都大学東京、北九州大学
英国チームーリーダー Professor Tony James, University of Bath
日本チームリーダー 九州大学 教授 新海 征治
新海教授;
「我々はこの日英プロジェクトの成功が、洞察力に富み、生産的かつ高付加価値な連携に繋がって行くことを望んでいます。 大和エイドリアン賞の受賞を現在までの共同研究のマイルストーンと見なして、将来の研究指針を確立し、この賞の名声に恥じないように重要なヘルスケア装置を世に出して行きたいと考えています」。
概日時計による光合成機能の調節:葉緑体で行われる光合成と概日時計システムを結ぶメカニズムの発見と、植物の生産性や光合成活性を最適化するための体内時計や環境シグナルの役割解明に向けて
機関 ブリストル大学、エディンバラ大学、千葉大学、東京工業大学.
英国チームーリーダー Dr Anthony Dodd, University of Bristol
日本チームリーダー 千葉大学 教授 華岡 光正
華岡教授;
英国における研究パートナーであるAntony Dodd博士と共にこの度の大和エイドリアン
賞2013を受賞できたことに心より嬉しく思います。今後、両研究グループ間における
連携がさらに深まり、日英共同研究がより進展していくことを願っています。
12CaO∙7Al2O3(C12A7)は結晶構造に起因するユニークな電子状態に着目し、電子 ドーピングで、絶縁体から金属まで伝導性制御に成功。電子ドープC12A7は安定な初めてのエレクトライド(電子化物)となり、その材料科学の領域を拓いた
機関 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、東京工業大学
英国チームーリーダー Professor Alexander Shluger, University College London
日本チームリーダー 東京工業大学 教授 細野 秀雄
シュルーガー教授;
「ロンドン大学UCLのチームを代表してレディ・エイドリアン、サー・ピーター・ウィイリアムズ、ジェイソン・ジェイムス、そして王立協会の皆様に感謝申し上げます。御蔭様で、東京工業大学の同僚との長年にわたる実りの多い連携を支援してくださるこの名声の高く寛大な賞を頂くことができました。
この研究と連携の主要な結果の1つは英国と日本で若い研究者の成長と友情を促進したということでした。それがこの賞によって認められました。若い研究者たちは、このプロジェクトの後にもこの連携を続けていくでしょう。大和日英基金にこの連携のポテンシャルを認めてくださったことに改めて感謝いたします。」
福井県水月湖の年縞堆積物中には、樹木に由来する葉の化石が多く含まれている。これらの化石の放射性炭素年代を測定し、かつ年縞の計数によって正確な年代を特定することで、放射性炭素年代の較正モデルを確立した
機関 ニューキャッスル大学,オックスフォード大学、 NERC放射性炭素ファシリティ, アベリストウィス大学, 名古屋大学, 千葉商科大学, 大阪市立大学、東京大学
英国チームーリーダー ニューキャッスル大学 教授 中川 毅
日本チームリーダー 名古屋大学 教授 北川 浩之
北川教授;
「私は大和エイドリアン賞の受賞を非常に光栄に思っています。放射性炭素年代測定法方法を開発するという私の夢が今日かないました。私の仕事を常にサポートしてくれた私の同僚、友人、家族に感謝の気持ちを伝えたいと思います。私はこの賞を受賞できてとても嬉しいです。私たちを選び信頼していただき、ありがとうございます。」
中川教授;
「日本の水月湖の年縞堆積物を用いて、放射性炭素較正曲線を延長することを目的にした日英共同プロジェクトチームの英国側代表として、この場にいることを非常に光栄に感じております。大和エイドリアン賞の受賞者として私たちを選んでいただき、本当にありがとうございました」